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直感アルゴリズムあれこれ

先日、横浜にてアニメ「直感アルゴリズム二期」のライブが終わり、本当の意味での最終回を迎えました。

この「直感アルゴリズム」(以後、直アル)には、僕は監督の坪田塁さんの演出助手として参加させて頂きました。

「アニメの監督をやることになりました」

と坪田さんからお話を伺ったのが去年の夏前くらい。

僕は直アルのプロデューサーの福原君とルームシェアをしていた時期があるのですが、一緒に飲んだりの流れで坪田さんもお知り合いになり、この直アルの監督をする事になったとの事。

こうして友人同士が知り合ってお仕事するって良いですな!と思っていたところ暫くして

「ちょっと現場を手伝って欲しい」

と坪田さんから声をかけて頂き、僕もお手伝いさせて貰えることになりました。

この直アル、アニメといってもちょっと特殊です。

何が特殊かというと…

・特殊その1「生アニメ」

「アニメ」で「生」ってどういうことだ?
とお思いでしょう。

普通のアニメはアニメーターがキャラクターや背景を描き、セリフを声優さんがアフレコをして放送します。

この直アルは、ニコニコ生放送で放送されていたのですが、当日、声優さんがモーションキャプチャーのスーツを着てリアルタイムでCGのキャラクターを動かしつつ、アドリブでお話を進めて行くというアニメなのです。

タイトルに付いている「直感」という言葉通り、話の最中に選択肢が出て、アンケートの結果によって進める話が変わるというトンガった企画。常に現場が緊張しているのは想像に易いですよね。

・特殊その2「日中同時放送」

この直アルは、第一期からニコニコ生放送で日中で放送されていました。

今回も二期という事で中国にも放送する事は変わらず。

ただ、中国にも同時に放送する、という事はそんなに簡単な事ではないらしく、なぜなら中国には他国から余計な情報をシャットダウンするためにグレートファイアウォールなるものがありまして向こうでニコニコ生放送見てね、だけでは見れないんです。

これを突破するために◯◯から回線をアレしてそこから◯◯経由で…のような曲芸みたいなことをして同時放送していました。なんでそこまで…という感じですが、この番組には日中の架け橋!的なテーマも制作側にはあるからなのです。

・特殊その3「大人の事情」

今回は二期ということで一期の設定を踏襲しつつ、今回の座組で成立するような設定でプロット、台本を書かないといけませんでした。

通常は設定があってプロットを書いて打ち合わせをして、そこから詰めて台本に落とし込んで行く、という作業かと思いますが、色々な方のスケジュールから逆算してのストーリー展開、からのプロット→台本という曲芸的な制作進行でした。
いやホント、おつかれさまでした。

・特殊その4「システム」

特殊その1から派生している話でもありますが、とにかく革新的な事を毎回試しているアニメで、日中の視聴者に楽しんでもらうためにはどうしたら良いのか、色々と挑戦していたんですね。

でもそれは毎週東京ゲームショーで展示するような斬新なプログラムを生放送するようなものでした。

本番直前まで、プログラムの調整は当たり前。テストでは動くのに本番当日動かなかったりして…でもなんとかなってました。いや、ならなかったりもしましたが、もはや視聴者の皆さんもそのトラブル自体を面白がってもらうという別の意味のインタラクティブなコンテンツになってました。

・特殊その5「文化の違い」

何が面白くて何が面白くないのか、という「面白がる基準」みたいなものは、ある程度みんなに共通してあると思ってました。

ところが国を跨いだ途端、その基準というものがいかに自分が今まで生きてきた文化圏でしか通じないものであったという事を痛感しました。

毎週、会議をしていましたが、こちらで面白いと思って作ったものが、中国では全然通じてなかったりして、試行錯誤の連続でした。

中国のスタッフの意見を参考にしたり、微博のチャットでお伺いしたりしてましたが、国が違うとここまで違うんだなと。

もう、現地の中国のスタッフからの「これは面白くないから、例えばこうしたら〜」というフィードバックが全然ピンとこなかったりとか(笑)

参考に向こうのバラエティを見てみたりしたけど、これまたピンとこない(笑)文化の壁ってなかなか高いんだなと。

文化の違いで言うと、日本人と中国人の仕事に対する姿勢が違いました。

今回は中国側にもスタッフさんがいて、こちらが放送開始するタイミングで回線を切り替えてもらったりしていたのですが、とにかく連絡が取れない(笑)

普通、僕らの感覚だと、放送開始の1時間前には連絡取り合ってスタンバイして、30分前くらいから状況伝えつつ、15分前にはいつでも大丈夫!みたいにすると思うのですが…

放送開始5分前でも、なんの連絡もない(笑)連絡しても、通じない(笑)どうする?どうする?しゃあない!30分放送遅らせます!(怒)みたいな事もありましたね。

なので、日本のスタジオでUnityのプログラムのトラブルがなく、モーションキャプチャーのスーツもちゃんと動いていて、ニコニコ動画にも問題なく映像が届いて、中国へこちらの回線がちゃんと届いて、中国の現地のスタッフが時間通りに回線を切り替えてもらって初めて時間通りにスタートするのです。これはもう、奇跡。です。一度くらいなんの問題もない時あったかしら…。

と色々と思い出が巡りますが、こんな話をもっと掘り下げて楽しくお話しする回が、今度あります!

それが4月28日の「尻友感謝祭」

新宿の地下なのでそこでしか話せない話もめちゃくちゃありますから、この番組を見ていた方や参加してるスタッフに興味がある方は楽しいと思います。

ぼくも遊びに行きますので、一緒にアングラの聖地で520を歌いましょう、尻友のみんな!

2019年4月28日(日) 19:00〜22:00(OPEN18:00)
「尻友感謝祭2019」in新宿ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2)

生放送アニメ「直感×アルゴリズム 2nd Season」全17話終了記念トークイベントとして「尻友感謝祭2019」を開催します。日本・中国の尻友の皆さまへの感謝を込めて制作に関わっている福原プロデューサー、坪田監督をはじめ制作スタッフ陣と尻友の皆さまのアットホームな交流会です。ここでしか聞けない直感よもやま話や、尻友の皆さまから作品に対する感想や意見などこの機会に是非尻友の皆さまの”生”の声を聞かせてください!

司会:福原慶匡 総合プロデューサー
出演者:坪田塁 監督、各セクションスタッフ、プロデューサー、技術者、音楽クリエイター等予定

※チケット代には飲食代は含まれません
※1人つき要1オーダー500円以上
※入場の際にQRコードが必要となります。スマホ・タブレット・印刷用紙などご準備の上、受付にご提示ください。

前売2,500円(〜4/27 下記リンクより)

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当日券3,000円(現地受付・現金のみ取扱)
ただし、満席の場合は受付不可となりますので、ご注意ください。

 

 

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